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喋れない・・・。あぁ、そういうこと。
この男子はきっと・・・・・・。
口が離れた。男子は顔を赤く染めている。
「ねぇ・・・君は私が好きなんでしょ?」
八ッと顔を上げ、私を見てまた恥ずかしそうに下に俯く。
やっぱりそうだったんだ。
あんなに話しかけてくるのも、追ってくるのも、全部が全部・・・・・・私が好きだったんだ。そう思うと腹が立つ。
「あのさ・・・いきなりキスするなんて中学生あるまいし、告白もしないって不思議な話しだと思わない?今、君の行動を振り返ってみなよ。全てが馬鹿みたいだ。・・・まぁ告白されても付き合わない。」
涙が落ちている。
私は決して悪いと思わない。それが私の心なんだから仕方ない。ガキみたいな行動に、付き合わされた私の時間を返してほしい。
スカートのポケットから眼鏡拭きを取り出して、眼鏡拭いていく。
目の前の男子に呆れながら、丹念にレンズを拭く。
眼鏡を掛け直して、さっきまでいた椅子に向かう。椅子の下から、革バック手に持って図書室を後にする。
細長い廊下を歩く。渡り廊下の窓から外をのぞく。外を見ながら、さっきの男子を思い出す。
私には言葉で人を傷つけてしまう癖がある。元々、言い方がキツイ為に多くの友達を傷つけた。多分、男子も傷ついてるだろう。もう関わらないでいてほしい。
私自身が面倒という理由もあるけど。
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