兄様
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「そんな子が、」 兄様は少し興味深そうに此方の言葉を繰り返した 新学期が始まって二日目の夕暮れに、家に帰った端から兄様に甘え倒した僕を不思議に想った様で、何か有ったのかと問い質された後のことだ 彼は兄様に似過ぎて居た はにかむ無邪気な笑みも時折見せる原因の解らぬ憂鬱な瞳も、喉仏の真上に位置する黒子も まるで、兄様の弟の様で 僕は不安になるのだ
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