兄様

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 何時もの様に愛されるのでは、足りなかった  兄様の支配下に啼くだけの時間はもどかしく、不安を煽る事しかしなかった  弟は僕だけなのか、兄様の口から聴きたいのは其の答えだけなのに、其を問うと兄様を困らせて仕舞う様な気がして、怖くていつまでもきく事が出来ずに居る  少し、首元に咲く椿がジクジクと熟れていく感覚がして、兄様は其処に歯を充てて何時もより強く力を籠めた  此の身体に兄様の熱しか感じなく為り、そっと遠退いた意識が暫くの旅を始める頃には、矢張兄様は隣に居ない  "今日も聴けなかった"  こんな日が続いて、もう一ヶ月が経った
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