2人が本棚に入れています
本棚に追加
何時もの様に愛されるのでは、足りなかった
兄様の支配下に啼くだけの時間はもどかしく、不安を煽る事しかしなかった
弟は僕だけなのか、兄様の口から聴きたいのは其の答えだけなのに、其を問うと兄様を困らせて仕舞う様な気がして、怖くていつまでもきく事が出来ずに居る
少し、首元に咲く椿がジクジクと熟れていく感覚がして、兄様は其処に歯を充てて何時もより強く力を籠めた
此の身体に兄様の熱しか感じなく為り、そっと遠退いた意識が暫くの旅を始める頃には、矢張兄様は隣に居ない
"今日も聴けなかった"
こんな日が続いて、もう一ヶ月が経った
最初のコメントを投稿しよう!