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その日、まるで僕を知った様な口調で、彼奴は僕に話し掛けてきた
他に掛ける態度は兄様そのものなのにも関わらず、僕には僕にだけは全く違った態度を見せた
哀れむ様な蔑む様な慈しむ様な、その表情はきっと僕しか知らない
今まで話した事の無かった相手だと言うのに、意味ありげな態度は僕を混乱させるのに十分だった
昨晩、滅多に甘える事の無い自分が甘えた相手が目前に居るのだと、そんな錯覚すら覚えて顔が紅潮すらしてしまう
そんな僕を彼奴はまた、笑うのだ
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