彼奴

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 緑の茂る、青い匂いのする長い廊下に日が落とされ、床や壁に影を残しながら図書室へ向かう  毎日の様に、放課後になると図書室に向かうのは入学から変わっていない、自分の日課の様なものだった  無駄に広い、この学校の校庭を挑む事が出来る大きな窓には、今はカーテンがひかれて代わりに心地好い風が其を揺らして模様を作った  この、他と隔離された様な静な空間で過ごす時間が、一番落ち着くのかも知れない  遠くに人の話し声と、更に遠くに部活動をする生徒の声を聴きながら息を吐き、静かに眼を閉じた
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