兄様
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どうやら、眠っていた様だ 扉をノックされた音に目が覚めた 薄く開いた目に映ったのは机上の写真たてに飾られたあの人の 「起こしたか、」 背後からの聞き慣れた声に安堵の息を洩らして振り向く 「兄様」 此方に差し出された手にすがる様に絡み付くと彼は優しく小さな体躯を抱き留めた 「只今、満月」 まるで恋人に囁く様な甘い声が少し擽ったく感じて、口元を緩めた
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