兄様

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 昨晩、耳元で囁かれたあの言葉に浮かれて大分せがんだようで、身体が少し重く感じる  外はもう既に明るみ、時計の鳴る音で眼が覚めた  兄様が居たであろう其処には、最早脱け殻となった彼の温もりだけが残されて、ふと寂しさが押し寄せる  素肌に触れる布団の温さに包まれて、僕は深呼吸を吐いた  彼の体温と同じだけの愛情に包まれた昨夜を想い起こす 「、貴方だって 特別だ」  独りそう呟いて布団から這い出ると、覚束無い足取りで浴室に向かった
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