バーチャルとリアルの間

3/7
159人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
頭に浮かんだのは、“江南団地”のバス停付近でよく見かける白のレガシー。 だけど、そんな偶然がある訳ない。 きっと、意識しすぎているだけ・・・。 そう思いながらも、度重なる偶然に期待してしまう。 私は悴む手で携帯電話を操作し、言葉を選びながら彼に返信をした。 ―――Re:エイミー 『こんばんは(^_^)今仕事が終わりました。 レガシーっていう車種はわかりますよ♪ 今朝も江南団地の近くで白いレガシーを見ました! もしかして、慧さんの車だったりして(笑)』 ・・・そんな訳ない。 レガシーなんて、どこにでもある車なんだもの。 ただ私の思い出の中で、あの車がとても印象深いものとなっているから・・・。 大好きだった元彼が乗っていた車。 ただそれだけの理由で、つい勝手に目が行ってしまうだけ・・・。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!