またまた始めの一番

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歴史に名を残すより、誰かの心に 爪痕を遺したい… 不名誉だった…戦場を途中離脱等、本当は考えたく無い。 この寒さと餓えで、次々と体力を失い発病者が出だした。 「この戦、功を焦っては負けじゃ…。敵は兵士だけじゃないぞ!?」 戦場で一人一人に声を掛ける。 鬼の姿… 此所は何処か? 「此所は…?」 毛虫の… 「おお!?真田幸村殿でございますか!?」 毛虫の猛将が、自分に声を架けた。 「いかにも!?だがこの戦場は…?」 真田幸村に用事がある。 「応援は多い程よい!!幸村殿にも折り入ってお願いがございます。」 成実が、丁重に真田幸村を迎えると、何やら密談を始めた。 「しかし…、その様な事が起きたとは…。」 幸村の容が様々に変化する。左門が対峙した実際の信繁のイメージを加え 「貴方の存在を消したく無い人々が起こした事でございましょう?だから我々に何も訊かず助力を願いたい。」 秀頼が大阪城で亡くなった事で、産まれた物がある。 「私は、私の事を成すそれで宜しいのですね?」 大阪城落城を、知ってはいるが…記憶と記録に微妙な擦れがある。 「命果てる迄、貴方の使命を全うして頂ければ!?幸いなのでございますよ!!」 此れは幸村で有って信繁では無い、真田幸村の物語を書いた人物は大阪城落城を知っている! シゲザネに後の事等、わからない ワカリハシナイ ダケド 成実の子孫なら全てを知っているのではないか? 歴史に名前は残ってもその時の感情など、後の世の人間が推測するしかないのだ。 その時の感情など、本人にだって解りはしない、時とともに移ろい往くもの
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