またまた始めの一番

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天秀尼、鎌倉の尼寺東慶寺を女人の為に縁切りとし 不幸な女性救済を目指した。 それは、大坂落城の後の話 それとあのサッパリ空気を読まない成実少年が、どんな関わりをするのか、その鍵を大久保が握っていると菊は考えていた。 ただ、何故か厭な懸念はある。 それで、断罪された大久保一族の跡をたどって観たのだが……… 「あー死ぬかと思った。あんたが出るなんてややこしいわね?」 戻った菊が居る場所、其所が問題だった? 「なんで、私清水寺に到着したのよ?」 誰かに答えを求めるように、菊は呟いていた。 「策士、策に溺れるだよ!主が探っていたのは、源平か何かだろうが…白山の信仰は、もっと古いはずだ!」 鏡の中に、菊にしか見えない文字が現れた、小さな手鏡である。 江戸初期の菊には、スマホと言った概念は、存在しない。 しかし菊は別の感覚で奇妙な道具を使いこなしている。そのナビゲーションを務めてしまったのが、シゲザネだった。
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