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その噂が、政宗の耳に入ったのは必然だった。
政宗が疱瘡を病んで死にかけた時、母は一度も見舞いには来なかった。
いや、正確には行かせて貰えなかったのである。
伊達家に、次男坊が誕生したのは何時か?
それと、この話には接点がある。
「伊達家と最上家を繋ぐ橋と成る、その決意を持ってあの方は嫁いで来たのだ…。」
小次郎を無事に産まなければ…
完全な跡継ぎを産まなければ…
誰のために?
義姫の中に
あるのは
その義務感だけだったのかも知れない。
「おそのと言うその女、なにやら不吉な事を話しているので…。」
不吉な事を話しているので…
誰が斬ったのだろうか?
何処でその話を聞いたのだろうか?
「何故か思い出せぬのだ…。何故なんだろうな?」
真剣に話す。
政宗の話を必死に聞いているのは、
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