36人が本棚に入れています
本棚に追加
座敷わらしと言う妖をご存知だろうか?
富貴思いのまま
座敷わらしが棲む家は栄え
出ていけば没落してしまう。
大久保様の邸に呼ばれた菊は怪訝な顔をしている。
妙な知り合いと鉢合わせしたからだ。
「いやあ、これは奇遇でございますね!?」
相手の方から、声をかけて来たので、ただ朗らかに菊も返しただけなのだが…。
左門
後に、片倉小十郎重綱
鬼小十郎と呼ばれる男
普段を知る者がこの様子を見たら、腰を抜かすに違いない。
存在感だけはやたらとある
が
滅多に口を開かない
それは名前の重の如し
一度発言すればその言葉の重き事
鋭き事
二度と立ち直れぬほど心を抉る。
敵に回せば、その一言が心を回復不能に滅多斬り
それがなんとまあ、爽やかに菊と世間話
普段を知って居たら腰を抜かすだろう間違いなし!
「で、要件は何かしら?」
「大久保様に、使節団の話を聞こうと思い、寄った迄ですよそちらは?」
ただの世間話
だが相手が菊となると…
「何を密談しているのでございますか?」
大久保邸の家人が、聞き耳を立てて居る。
「私は大阪の話をちょっとなんだけど、倒壊した伏見城の事も聞いてみたいと思ってね!?」
とりあえず情報の公開はした。
爽やかに大声で世間話のごとく
屋敷の奥がざわついている。左門にも気配は理解出来ている。
最初のコメントを投稿しよう!