物語の一番

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物語の一番

「その話、何処で聞いた?いやたぶん見たのかもしれないな…。」 小十郎が怪しい言葉を繰り返す。 成実は、あるはずの無い物を何処かで見ている。 「小十郎様、おっかな橋に鬼が出ると思った理由は何だったの?」 小十郎の動きが止まる。 「伝説の元となった話ですか?」 口から出た言葉で、初めて小十郎は成実が何を感じているか覚った。 あるはずの無い違和感 自分で有りながら 何処かで 上から事の成り行きを… 何故だろう? この変な感覚は? 「いったいこれは?そうだな、やはり繰り返して居るような…。」 改めて成実の顔を見ている。 すると 「鏡をわしが持つとどう生る?試してみてもいいか?」 成実の後ろには何があるのか? 今自分が観ているのが事実か確めてみたい 慎重派の小十郎を味方に… 何がそう思っているのか?成実は漠然と感じている。 自分は…に喰われたのではないか?
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