変身

4/24
966人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
鈴木さんが取りまとめ、あっという間に、歓迎会の段取りが進む。仕事を放り出して、鈴木さんが、営業、業務に声をかけ、開催場所となる居酒屋にも、予約した。 忘年会の時は、幹事をするのを、あんなに嫌がっていたのに、お気に入りの人がいると動きが早い。 中年女性のあざとさといったところか。 「鈴木さん、張り切っているね。」 志乃ちゃんが、言う。 「うん、ほんとだね。和田さんのこと、だいぶお気に入りなんだね。」 和田さんという名前にときめきを感じながら、答える。 「かっこいいもんね。それに比べて、うちの旦那っていったら…。」 山田さんこと、まゆちゃんが愚痴る。彼女は、結婚して、まだ二年目だというのに、もう旦那との仲が冷め切っていた。 まゆちゃんの愚痴を聞き流しながら、和田さんのことを考える。 ―――和田さんと話すチャンスは、あるかな? 会社では、なかなか、話すことが無いから、この飲み会は、良い機会だった。 ま、何も無いだろうけど。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!