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鈴木さんが取りまとめ、あっという間に、歓迎会の段取りが進む。仕事を放り出して、鈴木さんが、営業、業務に声をかけ、開催場所となる居酒屋にも、予約した。
忘年会の時は、幹事をするのを、あんなに嫌がっていたのに、お気に入りの人がいると動きが早い。
中年女性のあざとさといったところか。
「鈴木さん、張り切っているね。」
志乃ちゃんが、言う。
「うん、ほんとだね。和田さんのこと、だいぶお気に入りなんだね。」
和田さんという名前にときめきを感じながら、答える。
「かっこいいもんね。それに比べて、うちの旦那っていったら…。」
山田さんこと、まゆちゃんが愚痴る。彼女は、結婚して、まだ二年目だというのに、もう旦那との仲が冷め切っていた。
まゆちゃんの愚痴を聞き流しながら、和田さんのことを考える。
―――和田さんと話すチャンスは、あるかな?
会社では、なかなか、話すことが無いから、この飲み会は、良い機会だった。
ま、何も無いだろうけど。
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