ごめんなさい

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「あ、あそこ。」 ふと窓の外を見やると裏庭でベンチに座って弁当を食べているオカマ野郎達を見つけた 中々見つからないと思ったらあんな所に 「いいなあ、ママの手作り弁当。」 お揃いの弁当箱 肩が付く程とまではいかないが男友達にしては近い距離 「…三階からじゃ話も聞こえねえし、見てる意味もねえだろ。」 急に冷めた気分になった こんなこと馬鹿らしいだけだ 「んー?何で機嫌損ねたの?嫉妬か……ちょっと。」 四賀にからかわれる前に帰ろうとしたら矢先、四賀が俺を呼び止めた 「んだよ。」 「ママ達の様子可笑しい。」 渋々再度窓の外を見る 勢い良く立ち上がったオカマ野郎が転校生に向かって何か言ってる 内容は聞こえないが怒鳴っているように見えた 「何を言ってるでございますか?」 「…聞こえねえ、でも」 オカマ野郎が怒鳴るなんて余程のことだ 変に物腰柔らかいアイツが怒ってる所なんて見たことなかった 目が離せなくなり見続けていると、遂には転校生も立ち上がってずり下がるオカマ野郎にずいずいと距離を詰めて行く っ…何やって 「九!それ貸せ!」 「…よいでございますが。」 案外あっさり渡されたサングラス 別に深い事情あって着けてるわけじゃねえんだ… そんなどうでもいいことは頭の隅にやり 俺はそれを窓から全力でぶん投げた
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