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「はーい、寝て寝てー。子守話なんだからー。」
はあ…意味わかんねえ
何を言っても取り合おうとしないので仕方なくベッドに横になる
すると満足げに笑って俺に背を向けてベッドに腰掛けたオカマ野郎
仄かな明かりがオカマ野郎の横顔を照らした
「あるところに仲のいい3人の男の子が居ました。」
俺は黙ってその話に耳を傾けた
「一人は女々しい子、一人は無愛想な子、あと一人はやんちゃで悪戯っ子だった子。」
「毎日が楽しくて、毎日が輝いてたわ。」
「でも、ある日…3人が小学一年生になった頃
女々しい子のお母さんが事故で亡くなったの。」
オカマ野郎は俯いた
「それからその子は随分落ち込んじゃってね。
だから、悪戯っ子が元気を取り戻させてあげようと思ったの。」
「今までのやんちゃは止めて、その子のお母さんのエプロン着て、女言葉を遣って、その子のために家事を練習して、その子に一番寄り添ってあげて…。」
「お、まえ…それって。」
その悪戯っ子だったって奴は
「お母さんの代わりになってあげようとしたの。」
…それが、此奴がオカマになった理由
今までの自分を捨ててまで友人を救おうとした結果
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