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「起きてる?」
どうしましょう…さっきから何にも反応してくれないわ
名も知らない彼は、もう目線を私に向けることさえも無くなって
真っ直ぐ空を見上げているだけである
でも、ちゃんと見てないと、寝ぼけてここから落ちたりしたら大変よね
ふと、カシャン、という音が響いた
「あら…帰るの?」
彼は、フェンスに足をかけて屋上の床に降りて
ついには、何も言わずに屋上を出て行ってしまった
…不思議な子だわ
時計を見ると、ちょうど2時くらい
こんな所でゆっくりしてる暇は無いわね、行きましょう
私は、うっかり滑り落ちない様にフェンスからゆっくり降りた
うー、寒いわぁ
私はホッカイロで冷え切った手を温めた
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