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「…はっはー…。」
いつまでたっても出てこない女の子を見ながら、史君と談笑していると
突然、史君が今までとは違った笑みを浮かべた
どうしたの、私がそう言おうとすると
ぐっ、前触れもなく突然史君が私のエプロンを思いっきり引っ張った
すると、史君の顔は私のすぐそばにきて、私は思わず目を見開く
「ん?…そんな驚いちゃって、もしかしてときめいたの?」
面白そうに更に細まった半月の目
私が驚いて何も言えない間に、続いて耳元である言葉を囁かれる
「分かった?」
「ええ。でも、あなたは…いえ、あなたに心配はいらなかったわね。じゃあ…また後で。」
私は史君に手を振ると
ダッ
後ろを振り向いて全力で走った
「失礼するわね。」
「ふえ…ちょ、なっ…!?にゃーちゃんが!」
戸惑う女の子を脇に抱えて、そのまま明るい方へ走った
『なんかここに危ない人が居るみたい、ママは女の子連れて逃げて。』
らしい
史君、女の子には気づかなかったクセに、危ない人とかには敏感なのね
やっぱり、そういう所はあの高校の生徒ね
ガシャーン!
後ろからそんな音が聞こえてきて、女の子が後ろを振り返りそうになったのを抑えた
「見ちゃいけません。」
小さい子には悪影響かもしれないからね
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