新しい朝が来るわよ

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「んー、おいしー!」 あー…生活費が減っていくわ… 女の子は両手に持ったお菓子を満足そうにぱくぱくと食べている あんまりに泣くものだから可哀そうだし 私たちの事見た近所の人が今にも通報しそうだったから、お菓子を買ってあげた 女の子はベンチに座って足をパタパタと動かす 「にゃーちゃんねー…お母さんがだめっていうのー。  だからね、おばあちゃんにごはんかってもらってあげてるの。」 「そうなんだ。優しい子ね、にゃーちゃんもあなたのこと大好きだと思うわ。」 「えへへ。」 女の子は嬉しそうに笑った 「ねえ…ここからおうちって近い?」 「うん、すぐ近くだよ!  おねえちゃんも遊びに来る?おねえちゃんやさしいから入れてあげる!」 …おねえちゃん? 「ごめんね、今度遊びに行くわ。ちゃんと一人で帰れる?」 「うん!」 私は買い物袋を片手に、そしてもう片方の手で女の子に手を振った …よし 私は元来た道を戻った
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