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「っ…何をするでございますか…。」
ごく、と音を立てておにぎりを飲み込んだ颯ちゃんはサングラス越しに私を睨みつけてきた
ぴり、
…なんだか雲行きが怪しい気がするわ
「夢にまで出てきて、こんな不快な思いをさせるとはいい度胸でございます。」
え、夢?
颯ちゃんの言った言葉の意味がイマイチ分からなくて
黙り込むと、颯ちゃんは続けて言った
…まさか、颯ちゃんって
「…夢ならいくら殴ってもいいでございますよね?」
今の状況夢だと思ってるの!?
ブン、
「ちょっと、颯、っちゃん!?」
凄い勢いで迫ってきた拳に、咄嗟の判断で後ろに下がった
あっぶない
「次は外さない。」
まずいわ…
今のは幸運だったとして
こんな凄い殺気出してる颯ちゃんの攻撃をいつまでも防げるとは思わない
もう!なんでこんなに寝起き(?)悪いのかしら!
あっ
颯ちゃんの足の下に小さいマットが敷かれているのが見えた
また迫ってくる拳に、もう他の方法を考えている暇はない
シュッ
私は思いっきりマットを引っ張った
ゴンッ!!!
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