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「先生、起きてください。」
揺さぶってみる
すると、すうっとゆっくり保険医の目が開いた
「だりー…。」
第一声からアレね…
保険医はそれだけ言って、また瞼を閉じ
パカ、
私は閉じようとした瞼を両手の人差し指と親指で開き、止めた
「重患が居ますから診てください。」
私に両目を大きく開けられている保険医は少し考えて、はあっと深いため息を吐くと
私の手をどけて、もそもそとベッドから降りた
本当にやる気ないわねー!
…まあ、重患って言ったらちゃんと動いてくれたし仕事は一応してるみたいね
くす、と笑い声聞こえて先生を見ると案の定笑っていた
「御前、結構面白い事するよな…。普通初対面の人の目ん玉ああやって開くか?」
「先生も授業中眠そうにしてたら開いてあげますよ?」
「うおっ………気を付ける。」
そんな話をしている間に、保険医は颯ちゃんを診終ったみたいでベッドに戻った
いや、戻らなくていいわよね
「…熱…。」
「これからも仕事ですよね?これでも飲んで目を覚ましてください。」
保険医に熱いコーヒーを手渡した
「先生もいかがですか?」
「…いつの間に…。」
駄目な大人二人組もこれから変わってもらわなくちゃね
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