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「もう、先生が止めた所為で追いかけられなかったじゃないですか。」
「…芳野が行ったらまたどっかで問題起こしそうだからな…。」
問題って何よ
保健室を出て行こうとした私の手を握って止めた先生
…もう逃げないのに何故かずっと握りしめたまま
「これが子供体温って奴かー。あったけえなぁ。」
「…宮川、適当な事言うな…子供体温なんて言葉が使える年齢は大分過ぎてるだろ…。」
相変わらず怠そうな保険医にツッコミを入れられても気にせず、にぎにぎ、と先生は私の手を揉む
…楽しいのかしら?
「はは、屋内で仕事しかしてねえ俺に負けねえくらい肌白いな。なんか細いし。」
眉を下げて笑う楽しげな先生は私の手を見ている
「御前…ついに、野郎に手を出すつもりか?」
保険医の方を見ると、呆れ顔があった
「ん?駄目か?」
「…は?」
先生はドン引きしている保険医から視線を外して、私をじっと見つめた
ぎゅう、
手が強く握られて、思わず体をぴくりと動かした
「俺に口説かれてみるか?」
普通の声より低い声でそう聞かれた
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