1人が本棚に入れています
本棚に追加
月明かりの美しい日だった
一人の少女が眠っている男の寝所に刃を向け、その者を貫かんとしていた
だが少女の顔は涙を浮かべていた
ふいに何かを思ったように刃を下ろし心の中で男に語りかけた
「……………………………やっぱり、私は貴方を殺せない....姉さま達には笑われてしまうかもしれないけど、」
男の髪に触れでこを合わせ声にならない声で呟いた
「私を拾ってくれてありがと、踊りやお話とても楽しかったわ...最後に、この思いをありがと............たとえ貴方が私を見てくれなくても、この思いが貴方に届かなくても、愚かだと蔑まれても.......私は...人魚としてではなく、一人の女として....貴方を...愛していたわ」
魔女に奪われたた声で男につぶやいても届くはずはないと知つつも、微笑みまた口を動かした
最初のコメントを投稿しよう!