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私「あんまり我が儘も言わなかった?」
「着たくない服とか、写真でしたくないポーズとかもあるよね。でもね可愛いって言われるなってポーズをね、してた。」
私「そうしないとどうなると思った?いい子にしないと。」
「可愛がられないしね、構ってもらえないと思ってた。」
私「何に怒ってるの?」
「言うこと聞きたくなかったの。したくないって言いたくなかったの。」
私「弘ちゃんね、何をいってもいいよ。我が儘言っていいよ。」
「我が儘いったら振り向いてもらえない。可愛くしてて言われたこと『はいはい』ってにこにこしてたら構って貰えるから。」
私「冷たくされたことあるの?」
「言ったことないからわからない。」
私「弘ちゃんさっきの言葉、本当は誰にいいたいの?」
「んーとね、お母さん。」
少し意外でした。またお父様が出てくるかと思っていたからです。
優しいお母様の言葉や態度も弘子さんには強い禁止令をだしてたんですね。
私「お母さんにいいたいの?お父さんには?」
「お父さんあんまり興味ない。」
私「じゃあお母さんに直接言ってみようか?」
「うん。でもね、いったらお母さん困るよ。仕事忙しいのにね、お母さんの困った顔見たくないしね、可愛そう。」
そうなんです。いつでも子供は親の事を考えているのです。自分を犠牲にしても…。
私「そうか、お母さん大好きだもんね。でもね大人は自分で処理できるし、弘ちゃんのわがままはお母さんの為でもあるんだよ。お母さん本当の気持ちも弘ちゃんわからないでしょ?聞いてみよ?」
「うん。」
布団に横になる弘ちゃんの所へお母様を呼んできます。
まずお母様と話をします。お母様は笑っているけど忙しそうにしているようです。
私「今お忙しいですか?」
「そうですねえ。仕事と子育てで。」
私「弘ちゃん寝るところなんですけどちょっと時間とれますか?」
「はい。大丈夫です。」
私「忙しいけど弘ちゃんの為なら時間とれますよね。」
「大丈夫です。」
私「弘ちゃんは、ちょっと不安に感じてます。わがままいったら嫌われちゃうんじゃないかって。どう思いますか?」
「主人の協力がなくて、世話するのが精一杯で弘子の気持ちに気づいてあげられなかったなあと思います。」
私「弘ちゃんの態度によって弘ちゃんの大切さは変わりますか?」
「弘子の大切さはかわりません。」
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