天使、だからなに?

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***** 物心ついた頃には既に 私は研究所で暮らしていた。 『うむ、この子の能力もか……』 『やはり堕天使は能力の制限が広いようですね』 『あぁ、見ろあの翼を ーー・・・あそこまでの"黒"は珍しいぞ』 『堕天使の中での一級品ってところですかね』 『あぁ、違いない』 『家に帰せ』 家などないのに。 幼い頃はそう喚いていた。 『君の家はここだよ』 嘘だ。 本の中で"家"ってもっとあったかい場所だった。 こんなところではない。 『いいかい? 君の研究は家族の方も望んでいるんだ。 それにーー・・・』 ニヒルに歪められた唇から出る言葉は私の脳を犯していく。 『さ、続きだ 逃げたらーー・・・』 "天使"なんか、くそ食らえ *****
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