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ピョン
あ、雨蛙。
私の足下からその子の元へと跳ねていく。
女の子はぱぁっと表情を輝かせて。
ピョコピョコと足音をさせながら蛙の後を追う。
ーー・・・ひよこ?それともあひる?
歩く姿はそれらを連想させるほど可愛らしい。
その子の母親であろう学生は正門の前で友達と喋っている。
フッと、一抹の不安がよぎる。
(蛙、戻ってこい)
その願いも叶わず、女の子はそのまま蛙を追って車道へと飛び出していってしまう。
……車の姿はない。
ホッと息をついたのも束の間。
曲がり角から軽トラが曲がってくる。
ーー・・・スマホ弄ってやがる。
あの子、が。
女の子は蛙を捕まえたのか道のど真ん中できゃっきゃっと遊び始めていて。
母親も気がつかない。
……くそ。
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