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コツ
コツ
深夜の病院には、ピッピッと心電図やモニターの音が響く。
その廊下をするりと抜けて、出口に向かう。
5月の夜。
雨が降ったのか、地面はしっとりと湿っている。
はぁっと吐く息に色はつかず、灰色の雲が星たちを隠す。
しばらくそのまま見つめると。
ふうっと息をついて歩き出す。
しかしその足も。
「!?」
何かにつまづいて止まってしまう。
ドサッ
バランスを崩して倒れこんだ体。
じわじわと地面に接した部分が湿っていく。
足元を見れば。
ーー・・・天使、か。
小さな羽。
能力はそんなに高くないのだろう。
何故転がってるのか、想像がついた。
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