天使、だからなに?

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パンパンっとズボンをはたく。 鞄をあさると、あるものを取り出す。 ーー・・・本当は関わりたくない、関わってはいけないけれど。 仕方がない。 はぁっとため息をついて。 その少年を揺する。 「ん?……うーん、母ちゃんもうちょっと……」 母ちゃんじゃないし。 少しは起きろ。 しかしいくら揺すってもいっこうに目覚める気配はない。 口はだらしなく半開き。 可愛い顔してるのに勿体ない。 別に放っておいてもいいけど、病院に受診に来てるのなら、放っておくのは後味が悪い。 しょうがない。 ペリペリと袋を破る。 「……んぐ?!」 「ちろる。食べろ」 「ん~?おねーさん誰?」 やっと起きたか。 起きたなら問題ないだろう。 まだ目は開いてないけれど、喋ってるし咀嚼してるし。
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