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ここの地帯、昔は火山だった事が正しければ生命の痕跡は残っている可能性が高い。
ちょっとした発見と予想が私の探求心をもっと刺激する。
まだ見たことのないモンスターがいたという痕跡。
古代の物品や化石など、考えるだけでこんなにも発見できそうな物が想像できる。
心の中では急いでしまう。
プレゼントを受け取り、箱の中身をすぐに確認したくなる心情と同じである。
奥へ進むと、洞窟内は二つの道に分かれていた。
片方は風が通り抜ける斜行がある出口のような場所。
どうやら僅かに聴こえていた風の音の正体はここを通る風の音だったようだ。
外には続いているが、急な斜行で洞窟の地面も荒々しい。
自分達が入った入り口とは半分以下の大きさで狭い出口だった。
モンスターが利用するために作ったものというより自然にできたものに見えた。
そしてもう一つの道は更に奥へと進められる暗闇に染まった道。
生物の痕跡があるとすればここしかなく、恐る恐る進んでいく。
探求心をくすぐる最後の道。
……だが、洞窟は行き止まりだった。
行き止まりの外壁を見ても、特に変わった変化や痕跡などもない。
(仕方がない。引き返すしかないか……)
心の中で自分に言い聞かせる。
派遣隊の仲間はまだ焚火の温かさを感じているだろう。
私もその中に入り、疲れを取ることにした。
期待したものは得られなかったが、ここは昔に火山地帯であったことを予想できただけでも成果は得られただろう。
洞窟を歩いていた時間は私にとって最高な一時になり、童心に帰る時間になった。
ここまで来るのに険しい道のりだった。
初めて派遣で未開拓地へ来てよかったと思うようになった。
元の場所に戻って休む時間はまだあるはず。
行き止まりの内壁に背を向け、一歩歩いたその時だった。
何かが足に触れる。
足には岩肌にぶつけた痛みはなく、正体は岩石ではない。
足元を照らしていないせいで何かが置いてある事を気付かなかったようだ。
すぐに足元を松明で照らす。
そこには、楕円型の艶がある物体が落ちていた。
物体は物体でも、その正体は普通に考えれば分かるもの。
私の分析では、存在することがおかしいとも言えるのだが……。
物体の正体は卵である。
鋼のような硬さを感じる、なんとも言えない濃い灰色をしている謎の卵。
大きさから見て一般的な飛竜の卵だろうか?
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