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ディズニーランドに着いた時には夜になっていた。
ライトアップされた夜景が綺麗で、ついはしゃいでしまうと匡は喜んでくれた。
「良かった。ユリが嬉しくてはしゃぐ、なんて感情表現が出来る様になってくれた。
ずっと傍に居るよ。
この腕の中に、抱えて…」
抱き締められると、温かくて広い胸に何時もの様に頬擦りをした。
「その可愛い仕草を見るのが大好き…」
そう言ってギュッと腕に力がこもって。
「こうされるの、大好きよ…」
「子供達が居ても全く気にせずに、こうするからね?
んで、子供達ばっかり構ったら、グレるよ、俺?」
私の頭に頬擦りしながら、冗談を言う匡。
「クスクス、“ウサギは淋しいと死んじゃう”のよ?
私、匡に抱っこして貰えないと、淋しくて死んじゃうから」
「ん…大丈夫。周囲から引かれる位、ラブラブするから」
『兄貴達に負けない位の激情をもって、俺は、伴侶を愛して生きる』
言葉から、心から、私への愛情が伝わってくる…
「ありがとう、愛してくれて…
私、生まれて来て良かった。
匡に逢えたんだもの。
今ね、凄く幸せよ」
「…ほん、と、に?」
匡の声が途切れ、急に体が震え始めた。どうしたんだろう?
心配になり、腕の中から顔を見上げると…
「嬉しい…よ。ユリが、“幸せ”って、言って、くれた…
生まれた、事を、良かった、って…」
『俺、君を幸せにしてあげられているのか、何時も心配だった。
生きる事、生まれた事が、苦痛じゃあないか、気が気じゃあながった…』
言葉で、心で、喜んでくれ、何時も優しく見つめてくれる瞳からは、大粒の涙が溢れて止まらなかった。
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