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「やあ、楽しませて貰ってるよ。
おや?君のご主人様は、何処に行ったんだろうな?」
優凛華さんがサンタ姿なので、そうからかうと祐希が大爆笑した。
「プッ、ハハハッ!何だかアブナイ関係っぽいな。
エッチな感じがして面白ぇ」
「やっかましいわっ!
それを言うなら、お前の方は逆だろ~がっ」
ムキになる匡君を見かけたからか、仁志がやって来た。
「サボるな。片付けを独りでやりたいのか?」
「…お兄ちゃま、なかなかハードな罰を…流石は、超俺様、ドS」
「罰は厳しい位じゃないとな。懲りないだろう?」
祐希の嫌味もサラリと聞き流し、仁志はケロリとしている。
元々、この子は真哉に似て物静かで寡黙であったが、匡君や新庄君のおかげで良く喋る様になったものだ。
「自己防衛の為に、喋らざるを得ないんですよ」
俺の心を読み苦笑する仁志。
そんなふうにお前も年頃の若者らしく振る舞える様になってくれて、俺達は嬉しく思っている。
「仁志」
トナカイ姿の桜華が笑顔でやって来た。
傍には天使の羽根と輪を付けられた白桜。
「女の子達のトナカイ姿は随分と可愛らしいな。
で、白桜、良く似合うぞ」
「桜華様が付けて下さいました」
「そうか、良かったな」
頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細めるあたりコイツは猫だと思えるが、その図体は虎と同じなせいか、人の側を通り過ぎる度、顔色を変えて避られている様子を目にする。
「…お前も、元は女の子なんだからな。良く似合うぞ」
仁志が白桜の頭を撫でると、白桜は仁志の足に擦り寄った。
…人外の者ですら思いやる優しさ。
結、確かに君は、こうして今も仁志の中で生きているのだな…
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