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「さてと、そろそろ時間じゃね?」
「そうだな」
祐希と仁志が顔を見合わせる。
「プレゼントの時間です」
桜華は笑顔で俺の手を握った後、白桜を伴ってステージへと向かった。
ステージには周防の御子達が集まり、笑顔で参加者達を見渡す。
「今年最後のイベント、楽しんで頂けましたか?」
仁志がマイクを手に参加者へ呼びかけると、会場中で驚きの声が上がった。
そんな皆の様子に、仁志と桜華が顔を見合わせ、悪戯な笑顔を浮かべた。
その顔は、ごく普通の16歳の女の子と18歳の男の子だ。
「招待状にある、『あなたが会いたい人』に会わせてあげたい…
それが、あなた方へのプレゼントです。
周防の為に犠牲を強いられ、一族に人生を捧げ続ける、あなた方に…」
ステージに置かれた椅子に仁志は座り、桜華はその膝の上に座った。
桜華が座ると仁志は背中から包み込む様に抱き締め、二人は目を閉じた。
祐希と飛鳥さんは仁志の左側に立ち、祐希は仁志の飛鳥さんは桜華の肩に手を置く。
匡君と優凛華さんも右側から矢張、祐希達と同じく匡君が仁志の肩に、優凛華さんは桜華の肩に手を置いた。
「どうか、あなた方の心が、少しでも癒される事を…」
仁志の言葉の後、ステージから目映い光が沸き起こり、会場を埋めつくした…
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