プロローグ

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俺は奥田 勇太(おくだ ゆうた)。 今年で十六才になる新高校生だ。 今日から高山私立高等学校と言う高校に行くようになる。 この高校は去年まで女子高だったらしいのだが今年から共学になったのだ。 しかし、俺には少し不安なことがある。 それは入試の日に俺の教室には一人も男子が居なかった事だ。 まぁ、今年から共学になったって話だから先輩は居なくとも誰か一人ぐらいは居るだろう。そいつと仲良くなればいい。うん。 俺はそんな計画を胸中で立てながら、学校の準備をしている。 準備と言っても、ただ単にトーストをかじりながら服を着て、カバンに筆箱やらなんやらを詰め込みつつ、のどに詰まったトーストを牛乳で流し込み、空いた口にトーストを捩じ込み身悶えつつ、ズボンに足を突っ込みとんとんと跳び跳ね、再び牛乳を口に流し込んでいるだけだ。 客観的かつ簡潔に纏めると、『やべぇ! 時間がねぇ! もう……駄目なのか?』の状態にある。 何でこんな状態になっちまったのかだって? それは、単純にして明快だ。 寝坊しちゃったんだよねー(笑)。 いやいや笑えねーよ! などと一人ボケツッコミに走るほど今の俺は混乱している。そして時間が無い。
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