3人が本棚に入れています
本棚に追加
なんとか間に合った、入学式。
……そう、それは隣近所に座っている男子なんかと、
『なぁ、あの子可愛くね?』
『いや、あっちの子も捨てがたい……』
みたいな会話をする場所の筈だ。
自己紹介をするでもなく、ただ可愛い女の子について語り合う。
皆、見知らぬ顔。しかし、何処か自分と同じ臭いがする奴がいて、そいつと絶対領域について語り合う。
無論、そいつの素性も気になるところではある。しかし。
男は自分(己)の生き甲斐(好み)を語り生きるのだ。
それが漢というものだろうッ!?
――けどね。居なかったの。
居たよ? 可愛い女の子は周囲に沢山居るよ。
前後左右。上下……には流石に居ないけど。
と、いうより周囲皆が女の子だ。それもレベルの高い美少女とよべるような女の子ばっかりだ。
――が。
俺は頭を抱える。
男が居ないんだよ!! 同じクラスはもとより、他のクラスどころか、教職員一同みんな女性って何だよ! 何で俺はこの高校を受験したッ!?
いや、近くて唯一入れそうなのがここだったからなんだけどね!
そうこうしていると、校長先生らしき人物がステージにのぼり、
『皆さんが健やかに育ってくれることを祈っています。以上』
最初のコメントを投稿しよう!