第一章 男子の居ない教室で

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なんとか間に合った、入学式。 ……そう、それは隣近所に座っている男子なんかと、 『なぁ、あの子可愛くね?』 『いや、あっちの子も捨てがたい……』 みたいな会話をする場所の筈だ。 自己紹介をするでもなく、ただ可愛い女の子について語り合う。 皆、見知らぬ顔。しかし、何処か自分と同じ臭いがする奴がいて、そいつと絶対領域について語り合う。 無論、そいつの素性も気になるところではある。しかし。 男は自分(己)の生き甲斐(好み)を語り生きるのだ。 それが漢というものだろうッ!? ――けどね。居なかったの。 居たよ? 可愛い女の子は周囲に沢山居るよ。 前後左右。上下……には流石に居ないけど。 と、いうより周囲皆が女の子だ。それもレベルの高い美少女とよべるような女の子ばっかりだ。 ――が。 俺は頭を抱える。 男が居ないんだよ!! 同じクラスはもとより、他のクラスどころか、教職員一同みんな女性って何だよ! 何で俺はこの高校を受験したッ!? いや、近くて唯一入れそうなのがここだったからなんだけどね! そうこうしていると、校長先生らしき人物がステージにのぼり、 『皆さんが健やかに育ってくれることを祈っています。以上』
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