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『……ッ!?』
皆の息を呑む声が聞こえた。この時俺たちの心は一つになっていた。
そこには男も女も。
男子も女子も。
先輩も後輩も。
教師も生徒も。
子も保護者も。
何も関係ない。
ただ、等しく一つだった。
――話が短いな!!
その校長先生の言葉を皮切りに、流れる様に式は進んで行った。
……だが! 教育委員!
貴様の話は忘れんぞ!!
内容は全く聞いて無いけど話が永すぎるんだよ!!
本日は晴天に恵まれ、って今日は曇りだったよ! 次からはアドリブで頑張れよ!!
等と心の中でエールを送ると、俺は立ち上がった。
いや、もう退場だしね。
そうして、人の波に揉みくちゃにされながら何とか俺の教室になるであろう場所へ着いた。
「一年、二組か」
辺りを見回してみるが……やはり、男の姿が見えない。
「早く入ってくれない」
「あ、すまん」
俺は後ろから声を掛けられ直ぐに教室に入る。
俺は教室に入ると黒板を見やり、自分の机の位置を見付けた。
どうやら窓際の最後尾らしい。
……まぁ、落胆するほど悪い席でもないかな。
とりあえず俺は机に鞄を引っかけ、席に着いた。
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