初恋は桜吹雪の中で

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 楽しそうにしてる彼は遠くから見ていて、とても魅力的で一際輝いて見えます  シュートする時の伸びきった手が細く綺麗に見え、ゴール下を守る時やボールを追いかける時の俊敏さや力強さ、一つ一つが私にとって頬が熱くなることばかりでした  休憩する彼と友達数人が私の方へ歩み寄ってきます  今にも喉から心臓が踊り出そうな位にドキドキして平静を保とうとして読みもしてない本に視線を移して、どこか恥ずかしい気持ちと見ていたことをバレないことを祈ってるだけ  声をかける勇気もなく、ただ時間だけが無駄に過ぎてゆくだけ  足音が近くまで来て私の鼓動は最高潮まで躍動するように早鐘を打ってゆく  一瞬だけ本から視線を上げて彼の顔を近くで見て、友達と会話をする彼の声は透き通るように耳に入ってきて、その笑顔は私の胸を撃ち抜くようにして一目惚れを嫌でも意識してしまいます
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