悪夢のような一夜

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黒いカーテンのかかった所の前に立つ、逞しい体格の外国人が二人。 怪しいお兄さんを見て、カーテンを開けてくれたが、そこにあったのは広々としたレッドカーペットの階段。 「あのー、お二人さん。今からどこに…」 「ねぇ、あたし今化粧大丈夫!?崩れてないっ!?」 「あ、うん。棟方さんは今日もお美しいですよ」 「鈴っ!あたしは!?」 「今井さんの美貌は健在です」 …全く話にならないんだけど、どうしたらいいんだろう。 それにしても本当に頭が回ってきた。 テキーラってアルコール度数どれぐらいなんだ? 家に帰ったら調べよう。 そして一生もう飲まないとここに誓おう。 階段を上がって見えたフロアは何席かの黒革ソファーが置いてあり、何人かのお金持ちそうな男の人達は女の人に囲まれて座っていた。 大きな花瓶に飾られた彩り鮮やかな花々、暗い室内を照らすオレンジ色の間接ライトに赤い絨毯、なんともゴーシャスなところ。 横を見ると下のダンスフロアとレストランが半分ずつ見える。 これって…いわゆるVIP席ってところ? 足を止めることなく、ここを通過して奥へ入っていくお兄さん。 どこまで行くのかと、さすがに怖くもなってきた。 なに? 危ないこととかされるの? いや、でも多香子と典果もいてくれるし、どこに行くのかちゃんと聞いてたんだから大丈夫だよね。
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