悪夢のような一夜

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いや、でもここはきっと闇組織が支配するところ。 小娘三人を抹殺するなんて容易いことだ。 こないだ読んだ政治小説にそんな事、書かれてたもん。 どうしよう、怖くなってきた。 もしかしたら二人も本当のこと聞かされてないのかもしれない。 でも腐る程、女の子がいるのにあたしたち殺すってのも可笑しい。 ああ、もう考えてたら頭が余計に痛くなる まぁいいや、なんとでもなるはず。 「こちらです、どうぞ」 へっ? 考えてる間に着いた先は、重圧感のある革張りの扉の前。 そして体格の良い、黒人さん二人が見張り番のようだ。 典果と多香子は緊張した面持ちでごくりと喉を鳴らしたのが聞こえた。 しかしここはどこで、何しに来たのかさえ分かっていないあたしはまるっきり蚊帳の外。 お願いだから、入る前にどっちか、全部説明してくれないかな?
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