悪夢のような一夜

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ゆっくりと開かれた扉。 徐々に視界に入って来たのは、間接照明に照らされてる、大きな花瓶に飾られた豪華な花々。 その隙間から微かに見えた、人の影。 お兄さんに付いて、中へ入っていく。 あまり周りを見てはいけないと思い、視線を先に向けると床は相変わらずの赤い絨毯。 下を向いてしまったせいで頭のクラクラ度が半端ない。 眉間を押さえたいのにがっちりと固定されているのだから、もう我慢をするしかない。 本当に気持ち悪い…。 二人の足が止まったのを見えて、そこでやっと未知なる目的地に着いたのが分かった。 深呼吸をして顔を上げると真っ先に目に付いたのは、服がはだけ、ブラのヒモが丸見えの女にキスをしている男の人の後頭部。 はっ?! いきなりの光景に唖然とするも、その人の耳元で何かを話しているお兄さん。 えっ?えっ?えっ? 何が起こってるの? 本当に意味が分からないんだけど…。 慌てて典果と多香子を見たが、二人もやはり呆然としていた。
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