悪夢のような一夜

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周りを見渡すと高級感漂う大きなソファーに間隔を取って座る男4人と女5人。 みんな、イチャイチャしている。 その前にはガラス張りのテーブル、上に置かれているのはお酒やグラス、フルーツや料理などなど。 壁に飾られた大きな絵画がどんなものかなんて、気にする余裕もない。 …この状況はなにっ?! 「座りなよ。飲みたいものがあれば頼んだらいいし」 うるさい音楽の中で微かに聞こえた声に振り向くと、先ほどキスをしていた男のもの。 鳥肌がたつほどのイケメンだが、なぜか見知らぬ人に感じない。 この人、どっかで見た事あるような…。 どこだったかと考えてる暇すらなく、やけに色気を帯びた声が再度耳に入ってくる。 「あ、もう君たち帰っていいよ。」 一瞬あたし達の事かと思いきや、どうらや隣に座っていた人達を指していたようで。 「えっ?そんな…」 「出口までご案内します」 お兄さんはすぐに案内の意思を伝え、女の人二人はなくなく席を立った。 「あっ、じゃ俺も変えるー。ハーフっぽい可愛い子よろしくね」 彼の二つ横の端に座っているハットを被った男は、ついでに出前でも注文するようなノリ。 それを聞いた隣の女の人も気に食わない顔で席を立った。 あたし達を見るなり、ふんっと鼻息を鳴らして。 出て行くまでずっと、睨まれていた。 他の女の人達はさほどそれに気にもせず、その他の男とイチャイチャしている。 …これは一体どんな状況なのでしょうか。
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