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「きゃはっはっはっ!」
ガンガンと流れる騒がしい音楽、耳が潰れそう。
派手な化粧に、露出の高い服を着ている女の人。
彼女達を上から下まで見定めしているような男の人。
体をひっつけて踊っている人達もいれば、座ってお酒を楽しんでいる人達もいる。
お酒とタバコと香水の匂いが入り混ざっているこの空間は、あたしにとって吐き気を催す以外の何物でもない。
真っ暗な中でミラーボールの光、青赤黄色と様々なビームライトに冷たい霧が立ちこもる。
慣れた日常生活からは、かけ離れた空間。
「やっぱりここの男のレベルも一番だよねっ!」
大きいな音で典果の声はかすれて聞こえる。
「もう帰ろうよ…」
「鈴!今日は典果の誕生日なんだから我慢して!」
多香子が何を言っているのか、あまり聞こえない。
でもこの呆れた顔からして大体察しはつく、だから盛大なため息が出ていた。
今日は大学の友達、典果の20歳の誕生日を祝うために人生初めてのクラブに強制連行されて来た。
先月、大学二年生になったばかりだけどまだ19歳のあたしは、お酒を飲まないという条件で入らせてもらっているのだ。
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