悪夢のような一夜

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「もう凄すぎるよ…」 「鈴が真面目なだけだよ。みんなこれぐらい普通なんだけどな」 「いやいや、あたしが普通なんだよ」 ああ、クラクラする。 こんなんで後、一時間も持つのだろうか。 「すいません」 多香子に声をかけて来た黒いスーツを着た、これまた怪しげなオーラプンプンのお兄さん。 眉間を押さえていたあたしそっちのけで、二人に何か話している。 気にはなるものの、頭が重たくて、動きたくなかった。 「ええ!?本当ですか!?」 「信じられない!絶対行きます!行かせて下さいっ!」 何やら興奮した様子で手をバタバタさせている二人。 全く状況の読めず、何かと聞こうとしたが二人はすぐに戻ってきて、両腕を一人ずつに抱きつかれている。 「鈴!早く!行くわよ!」 「えっ?」 行くってどこに? 黒服兄さんに軽くお辞儀をされ、そのままこちらですと言って足を進める。 そして何故かあたしは二人に引っ張られながら、その後をついて行ってる。 「やばいっ!今日あたし最高の誕生日パーティーになる!」 「あたし今までこんなラッキーなことないわよ!」 「えっ?えっ?ちょっとどこに行くの?」 興奮の振り幅を振り切った彼女達は、ひたすら騒いでいて、全く聞こえていないみたい。
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