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……もういい。
もういいの!
海さん、自分を責めないで……
……ビリッ!
私が海さんを抱き締めて口を開こうとしたら、この耳に届いた何かを破る音。
……目の前の彼が、無表情にそのノートを破いている。
「刹、那?」
驚いて、そんな彼と視線を合わせる。
「アイツが死んだから何なの? 死ねば罪は消えるの?」
ポツリと呟いた彼の言葉が、私と海さんの心臓に大きく矢を放つ。
「ふざけるなっ!」
バンッ!
彼はそう叫ぶと、ノートを畳の上に投げつけた。
……ビクッと震えてしまう、私の身体。
それはあまりに違いすぎる彼の姿を目にしたからだった。
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