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朝の4時、まだ太陽も出ておらず薄暗い。
おれは体内時計で自然に目が覚め、起き上がる。
魔導で動いている時計は4時少し前を指していた。
魔導とは魔力を動力源としたカラクリのことだ。
今日は四月上旬で朝は肌寒いが、
準備をしなければならない。
部屋は同僚のダンと二人で相部屋となっており、
机が二つに地面に敷布団替わりの毛布、片隅におれたちの荷物がまとまっている。
すさまじく小さな部屋だ。
そんな朝早くに起きて同僚を起こす。
「準備するぞ、起きろ」
「もう、4時か?」
「ああ」
前の日に近くの川から汲んでいたバケツの中の水で、
ひげをナイフをうまく使って剃り顔を洗って、
薄汚い灰色の作業服を着て準備終了。
同僚はだらだら準備をしており、まだ時間がかかりそうだ。
「先に行くな」
「えっ!?待って!」
無視して寮を出る。外の空気は澄んでおり気持ちいいが、かなり眠い。
寮から徒歩5分の道のりの先にある大きな屋敷がおれたちの職場だ。
屋敷の主が運営している、寮には男女合わせて約100名の従業員が住み込みで働いている。
屋敷に着くと庭の小屋に行き、掃除道具を取り出す。
ちょうど、同僚が走ってきた。
「準備早すぎないか?」
「そうか?」
こいつにリズムをあわせてしまうと遅刻してしまうため適当に返事する。
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