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一章
…………え?
高校を卒業して三年目の正月。
五日。
99パーセント来るはずがないと思い、残りの1パーセントで……そのほんのわずかな可能性で信じていた、あの人からの返信の手紙の封筒が、今、目の前の自分のマンションのポストにささっていた。
差出人の名を見なくても、封筒を手にする前から、それがあの人からの物だと云うことが、わかった。
何故?
人に問われたとしても、それはあの三年間と自分のすべてを知らない他人には、決してわからないし、また説明する術(すべ)を私は持たなかった。
『明けましておめでとう。元気か?
自分は元気だ。
何があった?
何があったか知らんけど、強く生きていけ。
自分は、今、実家を出て独り暮らしをしてる。
元気でな。
by,H
』
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