第1話

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…………プロローグ………… 『もう 届かないかもしれない人へ』 困らせたかったわけじゃない 嫌われたかったわけじゃない ただ ひたすら否定し続けていたはずの想いを 受け入れるしか なかった 耐えられなくて 逃れたくて 何もかもが限界を超えて しまえばいいと思った 押さえつけるには 少し 疲れすぎて 欲しいものを 本当に欲しいと思った 錯雑した感情すべてで あなただけに執着した その理由(ワケ)も知らずに 最後に願うことは いつも同じだった 非力で 醜い自分が せめて あなたの為に何か出来ないかと それが例えば この目を潰すことであっても この体を砕くことでもよかった ただあなたの為に何か したかった あなたにとって私が 邪魔な存在でしかなくても 壊れてしまいそうな あなたを 守りたかった それが他の誰にわからなく ても 他の誰に伝わらなく ても あなただけに届いていれば それでよかった この想いのすべてを 伝えてもどうしようもない この想いを あなただけに 伝えたかった もう 届かないかもしれない人へ せめて 伝えたかった
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