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「追われ続けても尚、こうして目立つ組織に身を置く。どうして、俺はこんな道を選んだか分かるか?」
ギャックは砲身が破壊され口から吐く火も殆どないスウロに問う。
「これは、俺の一世一代の大博打なんだ。賭けるのは、他でもない俺自身。こいつらも俺も決して、相手を裏切らない。そういう博打なんだ。絶対に外すことのできない。人生を賭けての博打。俺は大穴を当ててみせるぜ」
「裏切りは信用、信頼に関わることだ。だから、俺は出来る限り、依頼人の期待に応えるよう心がけている」
ビックはエンヴィーに追いつくと、掘削機を突き上げ、モグラを逃げ場のない宙へと放り出した。
「仲間?そんなもの俺には必要ない。俺はただ、信頼しているだけだ。社員を七ッ星を・・・。だから、俺も信頼に応えないといけない!工事も仕事も!」
身体から焦げ臭い匂いを漂わせるラースの攻撃を交わしながら腹部に、二度、三度と拳を突き出した。
「仲間など不要だ。ただ、信頼してくれるだけでいい。あの子が私を信頼してくれたように」
天川は大きく跳ねると、空中で一回転し勢いに任せてラース踵落としを喰らわせた。
「『落下星(らっかせい)』」
今度は前にも後ろにも倒れさせない。脳天からの一撃を受け、ラースは仁王立ちのまま立ち尽くす。そこに、トドメとなる一撃を天川は正拳を突きだし与える。
「流星空手奥義『流月終星(るげつしゅうせい)』」
たった一撃。その衝撃はラースの身体を貫いた。全身を衝撃が走り、卒倒させた。常人に使えば、死にも直結する危険な技であるが、相手は人間ではない。躊躇することなく使えた。
「これが、私達、七ッ星だ。半端な仲間なんかより、ずっと繋がっていられる『信頼』という絆だ」
ラースが倒れた瞬間、彼の周りを覆っていた焦げ臭く黒いモノが消えた。その下から現れたのは、痩せこけた何かの動物をモチーフにした死体であった。
それを、砕けたモノが何だったのか、天川は表情を曇らせた。
パレスの猛攻を速度を上げて逃げ続けていたトコリコであるが、追いつめられつつあるのを感じていた。パレスがトコリコの早さに追いついてきてる訳ではない。トコリコがどこに逃げるのか何本ものレーザーを張り巡らせて彼を追いかけていた。
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