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時々、パレスに向かってガトリングガンを掃射するも結果は最初と同じ。動きが一時的に鈍るが、すぐに元に戻って攻撃を再開してくる。
(どうする?ほとんど、効果がないじゃないか。他の弾を使ったところで、効果は同じだろう。唯一、弱点があるとすれば・・・)
トコリコは逃げながらパレスの肥大化した肩を見た。星の記憶を埋めた左肩はあからさまに怪しかった。どうにかして、そこを撃つことができれば止めることができるかもしれない。
しかし、パレスが身に着けている力はあまりにも厄介だ。ガトリングガンで乱射しても左肩の星の記憶を撃ち抜けるかどうか分からない。チャージガンも精密作業には不向きだ。撃ったところで、攻撃用のエネルギーに変換されるのがオチだ。
『ん?各コアが壊されたか・・・』
パレスは突然、攻撃を止めた。
「コア?」
『私の欲望から生まれた者達のことだ。ラースだけは不調だったが、まあいい。余計なことにエネルギーを使わなくなって済みそうだ』
トコリコは嫌な予感した。今まで、パレスは七つの欲望を時はなった状態で戦っていた。いうならば、力を分散させていたことになる。そして、その分散させた象徴である欲望が全て、七ッ星によって討ち取られた今、回す必要がなくなった。
『光栄に思うがいい。星人となった私は、お前を最も目障りな敵として、この星の光りをもってして消し去る』
両手を頭上に挙げたパレスは星に記録された光りをもってしてトコリコを撃つ。それは、今までのレーザーとは比べものにならないほどの威力であった。光りがトコリコの左腕と顔の一部を焼き、後ろにあった強固な壁すらも破壊した。
「があは!ここに来て、急激なパワーアップは反則だろうが!」
エネルギーを集約したパレスからの一撃は、これまでと比べものにならない。首輪や腕輪がキズつくことはなかったが、あまりにもケガを負わされた範囲が広い。パレスとは違い治すのに当然のことながら時間が掛かる。その上、このクラスの攻撃を避けなければならない。
どうするべきか。苦手とする戦略的思考を張り巡らせながら、策を練る真似事をしてみるも思いつくはずもなく。完璧に追いつめられた。
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