第2章の続き

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 では何故その悪条件に堪えてまで働こうとする者達が存在するのか――。  無論採用に際しては、身辺調査など有るはずもなく、有ったとしても履歴書の提出程度で済む世界だ。  言うまでもなく、履歴書の改ざんなどいくらでも出来るし、過去の職歴に対して在籍確認をされることなど有り得ない。  結果、犯罪者を犯した疑いのある者が、ひっそりと身を隠して従事しているケースも発生する。  指名手配されている様な大物は、免許証を更新出来ないから論外だが。  警察からの身分照会の電話は、西新宿販売所にも定期的に掛かってくる。  それによって見つけ出され、刑事に連行されて行く専業を一度目にしたことが有る。  彼らにしてみれば、身を隠す場所としては最適なのだろう。  しかしそれは犯罪者に限ったことではない。
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