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12年ものを選ぶ者の中には、その間に経験を積み本社への実績と信頼を得て、一所長として独立する為の資金に充てる者もいるらしい。
こうして、新たな出発や人生を一度リセットをする為に、一時的にきつい仕事に堪え、希望に満ちている者達も新聞屋にはいるのだ。
そういった者達にとっては、決して人生の墓場でも、落後者達の集う場所でもないはずだ。
何故それほどまでの福利厚生が存在し継続出来るのか――。
おそらくは、その厳しさ故に長続きする人間が少なく、人員不足に喘ぐ本社や販売所が、単に月々の給料を上げるのではなく、付加価値としての衣食住の完備や福利厚生の充実によって還元することで、継続した人員の確保を狙った仕組みなのではないだろうかと思う。
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